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【特別企画】企業のブロードバンド化の切り札「Powered Ethernet」の実力


2003年2月24日

Introduction

速さ、安さを求める個人ユーザーに対して、企業ユーザーは、単なるコストや帯域だけでなくセキュリティや信頼性などを満たしたサービスを求めている。こうした中、導入が増えているのが安価なスイッチでLAN間を接続する広域Ethernetサービスである。今回は「Powered Ethernet」を展開する通信事業者大手のパワードコムに、昨今の企業でのWAN需要や同社のサービスの特徴を聞いてみた。


パワードコム 企画本部CSD部CSDグループ課長 河島謙司氏
全国にある光ファイバ網を
最大限に活用

パワードコムは全国の電力会社の出資を受けて設立された法人向けのデータ通信サービスに特化した通信事業者である。前身となるPNJコミュニケーションズが、2001年にTTNet(東京通信ネットワーク)、CTC(中部テレコミュニケーション)、OMP(大阪メディアポート)から法人向けデータ通信サービスを継承し、社名をパワードコムに変更した。パワードコムの最大の強みは、アクセス回線から中継網まですべて自前で調達できること。同社の河島謙司氏(企画本部 CSD部 CSDグループ 課長)は「電力系通信会社(PNJグループ)が全国に保有する総延長20万kmにも及ぶ光ファイバ網と約670局の拠点を元に低廉な価格でサービスを提供できるのが、大きな特徴です。特に東名阪では拠点が密接しているため、多くのお客様の拠点まで直接光ファイバを収容できます」とパワードコムの強みを説明する。

昨年は往年の映画監督ヒッチコックの登場したCMで話題になったが、やはり営業を開始した当初は「『パワードコム』ってどこの通信会社だ? といわれたことも多かった」(河島氏)ということだ。しかし、そんなパワードコムの知名度を一気に挙げたのが、各拠点のLANを安価なスイッチで相互接続できる広域Ethernetサービス「Powered Ethernet(パワードイーサネット)」である。

通信コスト削減ではなく
今の価格で帯域が欲しい

パワードコムのサービスとレイヤ構造。このうち、メインになるのがPowered EthernetとPowered-IP MPLS、そしてPowered iDCの3つになる

Powered Ethernetは、バックボーンをWDM(光波長多重)で構成し、光ファイバとレイヤ2スイッチでネットワークを構築したサービスだ。フルメッシュの網タイプとポイントツーポイントを結ぶ専用タイプの2つがある。広域Ethernetは、安価なLANスイッチやルータをそのまま拠点間接続で利用できるため、とにかくコストパフォーマンスが高い。

Powered Ethernetの特徴として、10Mbpsと100MbpsのEthernetアクセスの提供エリアが広いことが挙げられる。もちろん、Ethernetアクセスの提供エリア外であっても、専用線やATMなどを利用することができる。もちろん顧客同士のトラフィックがスイッチのVLAN機能を使って完全に分離されているので、セキュリティ面でも安全だ。

Powered Ethernetの展開に関しては「サービス開始当初は、『Ethernetで拠点間接続なんて本当にできるのか』『セキュリティは大丈夫なのか』という声をずいぶんいただきました。しかし、最近では安い、速い、どんなプロトコルでも使えるといったPowered Ethernetのメリットが認知されてきました」(河島氏)とのこと。最近では、業界でもトップクラスのシェアになっているようだ。

もう1つの大きな特徴は、料金体系が「県内網(県単位)」、「エリア網(関東圏など)」、「全国網」の3段階に分かれている点だ。たとえば、2箇所の拠点が同じ県内にあった場合、通信は県内網でトラフィックを折り返すため、全国網にはトラフィックは流れない。この特徴について河島氏は「県内網だけ使うのであれば、中継網分の料金は不要になります。さらにPowered Ethernetの場合、県内網の上にエリア網がありますので、たとえば関東近郊に拠点が集まっていた場合、県をまたいでも『全国網』ではなく『エリア網』のポートとアクセス回線の料金だけで済みます」とメリットを強調する。

広域Ethernetサービスが好調である背景について、河島氏は「通信サービスへのニーズが大きく変わってきたと思います。専用線のように『距離に対して課金される』という概念はすでに過去のものになっています。最近では『通信コストをとにかく削減したい』という要望よりも、『通信コストはそのままでいいから、広帯域化してほしい』というニーズが高くなっています」と述べる。企業も本当にブロードバンドが必要な時代になってきたというわけだ。実際、遠隔にある拠点同士で巨大なCADデータを流したり、テレビ会議を行なったり、という広帯域ならではの使い方をしている顧客も増えているという。


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