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【OracleWorld 2002 Vol.7】新バージョン関連のニュースリリース


2002年11月14日

Oracle9i Application Server Release 2 Version 9.0.4

 今回のOracleWorldでは、『Oracle9i Application Server』(以下9iAS)も重要なテーマとなっている。新バージョンの発表など、関連するニュースも多数発信されている。

 『Oracle9i Application Server Release 2 Version 9.0.4』は、9iASの新バージョンとなる。企業の情報システム担当者の大きな課題である「インテグレーションの低コストでの実現」に注力した新機能が盛り込まれる。

 企業内のアプリケーション間での連携、企業間での連携、そしてWeb Serviceによる連携の実現が大きなテーマとなっているが、既存のソリューションは高価であったり、小さな機能を実現するソフトウェアを多数組み合わせてシステムを構築する必要があって実現が難しいなど、さまざまな問題を抱えている。9iAS 9.0.4は、求められるインテグレーション機能をあらかじめ組み込むことでコストを削減し、低コストで迅速なインテグレーションの実現をサポートする。盛り込まれる新機能は主に4点にまとめられる。

ビジネスプロセスマネージメントやモニタリング
EAI(Enterprise Application Integration)やB2B(Business-to-Business)、Web Serviceなどの管理、ビジネスプロセス管理、ビジネス活動のモニタリングのためのWebベースのツールが提供される。GUIによる視覚的な操作で作業ができ、特別なプログラミングの必要をなくしているため、容易に利用できる。
JCAのサポート
『J2EE Connector Architecture(JCA)1.0』のアダプタをあらかじめ組み込まれた形で提供する。JCAは、ERP(Enterprise Resource Planning)やCRM(Customer Relationship Management)といった既存の企業情報システムやレガシーアプリケーションとJ2EEアプリケーションサーバを接続するための標準規格である。
Web Service対応の強化
SOAP 2.2への対応やUDDI、WDSLなどの機能強化が行なわれる。
B2Bインテグレーションのための標準規格への対応
RosettaNet、UCCNet、Health Level7(HL7)といった既存の業界別標準仕様をサポートする。

なお、リリースは米国で2003年前半、日本では米国でのリリースの2〜3ヶ月後になる予定である。

HPとの提携強化

 9iASについては、HPとの提携強化により、HPのサーバに標準でバンドルされることになった。バンドルされるのは9iASの核となるJ2EE 1.3エンジンの部分を中心に機能を限定した特別バージョンで、まずはHP ProLiantのHP-UX版に無償で提供される。オラクルからは、無償版9iASのユーザーに対して最大5インシデントまでのサポートが行なわれる。

 J2EEエンジンに関しては、J2EEが企業アプリケーションの中心的な実行環境となってきたこともあり、OS環境への標準搭載の動きが始まっている。Sun MicrosystemsがまずSun ONE Application Serverの機能限定バージョンをSolarisに標準バンドルすることを発表しており、今回の提携に関しても、HPもJ2EEエンジンがOS環境に最初から備わっていることが必要と考えた結果であろう。一方Oracleはこの提携により、ProLiantユーザーに対してアピールしやすくなり、有償版への移行や他の関連製品の導入に進む顧客が増えることを期待できる。

開発ツール関連の動き

 OracleのJava IDEである『JDeveloper』も新バージョン9.0.3が発表された。J2EE 1.3に完全準拠し、Web Serviceへの対応強化、オープンソースツールとの連携、パーソナライズ機能の提供などが行なわれる。

 J2EE 1.3対応により、セッションビーン、エンティティビーン、メッセージドリブンビーンを含むEJB 2.0の機能がサポートされる。また、Web Service対応の強化に関連して、TCPパケットモニタが組み込まれた。これを利用すると、SOAPメッセージのデバッグも容易になる。

 パーソナライズ機能は、MyJDeveloper Extension Managerによって実現される。名前の通り、エクステンションの組み込みを管理し、作成するアプリケーションのタイプや開発者の好みなどに応じて開発環境の構成を容易に変更できる。なお、MyJDeveloper Extension ManagerはOTN(Oracle Technology Network)からもダウンロード可能となる予定だ。

 最後に、オープンソースツールとの連携は、Apache Ant、Jakarta Struts、JUnit、CVSといったよく利用される開発関連ソフトウェアをJDeveloperのコアから直接呼び出されるようにするものだ。この機能は、『JDeveloper Extension Software Development Kit』を利用して実現されている。Java IDEの機能を拡張し、エクステンションやプラグインなどと呼ばれる機能モジュールを組み込めるようにすることで開発者がより使いやすい開発環境を作成できるようにする動きはこのところ急拡大している。よく知られている例にはオープンソースで推進されているEclipseプロジェクトやNetBeansプロジェクトがあるが、JBuilderやSun ONE Studio、もちろんJDeveloperなど、主立ったJava IDEはすべてこうした拡張をサポートしているのが実態である。しかし、これまでは各社がバラバラに取り組んでいたためにモジュールに互換性がなかった。そこで、OracleはJava IDE拡張のための標準APIセットをJSR(Java Specification Request)としてJavaコミュニティに提案した、というニュースも発信された。JSRが実際に標準となるかどうかは今後の標準化作業の進展次第だが、どのIDEでも同じインターフェイスを利用して拡張ができるようになれば、モジュールを利用する開発者にとっても、モジュールを開発して提供する側にとってもメリットは大きい。一方、既に豊富な拡張モジュールを擁して先行しているIDE製品をもつ企業がどう反応するかが問題となるだろう。

(渡邉 利和(toshi-w@tt.rim.or.jp))





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