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韓国IT見学ツアーレポート(その2) e-businessはローカライズがカギ 韓国e-net訪問
2001年9月6日
e-netの概要
e-netは、1996年設立。当初展開していたSI事業から、現在は「Commerce21シリーズ」を中心とするB2B、B2Cソフトウェアのパッケージ提供や、コンサルティング、構築などを行なうソリューションベンダーとして知られている。
従業員は167名。人員の構成は、開発研究が66%、企画/マーケティングが13%、営業が9%、海外駐在が9%、役員3%となっている。関連企業としては、SI事業を行なうei plus、XML専門企業であるK4Mなどを擁する。これらの関連企業の従業員を含めると、総従業員数は約320名となる。
韓国国内のB2C市場におけるシェアは、2000年6月の時点で35.4%(出典「The Management and Computer」)で、2位のInformixの11.4%と比較しても圧倒的な優位を誇っているという。
2000年の売り上げは18億円。2001年の売り上げ目標は30億円である。
こうしたシェアを裏付ける顧客の顔ぶれも豪華だ。SK Telecom、韓国の造幣局、T・ZONE、LOTTe.com、韓国Lycosなど150社以上ががB2Cシステム構築にe-netのシステムを採用しているほか、B2B市場においても、化学製品のeマーケットプレイスを展開するChemCrossやオイルのeマーケットプレイスのOILPEXなどがカスタマーとして存在する。
国外の活動としては、米国法人、中国事務所を設置しているほか、1992年12月には日本法人である(株)コマース21を設立した。日本国内でも、NEC、富士通、ソフトバンクなどがディストリビュータとなっており、NTTデータ先端技術やインフォーエス、サイバードがSIパートナーとして名を連ねている。
日本国内の顧客としては、
など、合計27サイトの導入実績がある。
e-netがここまで市場シェアを獲得できたのは、やはりローカルにあわせたソリューション展開がカギだったという。たとえば米国では基本的に分割払いというシステムがないので、米国発のソフトウェアで分割払いに対応するのは難しい。ところが、韓国発のe-netのソリューションであれば、もともと分割払いを念頭においたシステム構築が可能になるというわけだ。日本においても、日本企業とのアライアンスを行なってローカライズに注力したことが、成功の原因だったと同社では分析している。
e-netでは、今後伸びていく分野としてeCRMを挙げている。単なる物売りやビジネス仲介のWebサイトではなく、個々の顧客にあわせたきめの細かいサービスを展開していくことで、他のWebサイトとの差別化を図ることができるというものだ。こうした展望から、e-netではオフラインで動作しているCRMシステムとの連動などが行なえるシステムも開発しているという。なお、eCRMについては日本のほうが未熟だといえよう。たとえば韓国では、あるWebサイトで数十万円の買い物をすれば、ゴールド会員などのプレミアが付き、誕生日にはイベントのチケットが送られるなどの特典が付く場合が多いのだが、日本ではこうしたサービスを行なっているWebサイトはまだないという。こうした事情から、日本でのeCRM採用は今後他のECサイトとの差別化ポイントのひとつとなることだろう。
(編集部)
e-net製品群
同社の製品群は、JavaとXMLを核としたもので、B2C、B2BからeCRM、モバイル、ASP向けなど、e-businessの形態にあわせた数種類の系統を持つ。
- Commerce21 eMarketplace
- eマーケットプレイスを構築するための、オークション、ビッディング(入札)、カタログ、掲示板、トランザクション処理機能など、各種モジュールを用意。また、レガシーのERPやSCM、CRMなどとの連携モジュールも用意している。
- Commerce21 eBase
- システム管理やモニタリング、DB、XMLのツールキットなどECサイトのベースとなるエンジン部分。e-net製品のプラットフォーム部分ともいえる。UMB(Unified Message Broker)やCM(Connection Managaer)を通じて外部と連携する。
- Commerce21 eCRM Suite
- 1996年から始まったe-netのECサイト構築ノウハウを詰め込んだCRMシステム。サイトレポート、マーケティング、アドバイザーなど、10種類程度の機能がモジュール化されており、マーケティング的なアドバイスを抽出することが可能。こうしたマーケティング結果から、特定の購買歴を持つユーザーに集中キャンペーンを実施することなども可能となる。また、ユーザーに対するチャンネルも、Webに限らずメールやモバイルなどを利用することができる。
- Commerce21 eProcurement
- 購買業務管理。
- Commerce21 eCMS
- XMLを基盤としたカタログマネジメントシステム。
- Commerce21 eWorkflow
- ワークフロー管理システム
- Commerce21 ASP Model
- Commerce21の機能をASPとして提供。現在韓国のADSL企業であるハロナ通信をはじめとした3社に対してサービスを行なっている。
- Commerce21 eMobile
- Java Servletを使用し、モバイルに特化したUIを用意するとともに、有線コンテンツと同様の機能を提供。このモバイル関連だけは韓国ではなく、日本で開発したという。現在、WAP、iモード、J-スカイに対応している。
(編集部)
e-net CEO パク ギュウホン氏インタビュー
e-net本社にて、同社CEOであるパク ギュウホン氏と記者団との懇談会が行なわれたので、その模様をお伝えする。
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e-net CEO パク ギュウホン氏 |
[パク氏]
初めまして。とりあえず、韓国のITビジネスについて簡単にご紹介いたします。
全世界のIT産業は危機を迎えていると思います。米国から始まったデジタルエコノミーが弱くなってしまったので、全世界的にITは大変ではないかと思っています。特に韓国の市場は、インターネット市場自体が、“元に戻ろう、産業の本質を探そう”というブームになっています。
現在、ITビジネスを行なっているさまざまな企業でリストラが行なわれています。しかし韓国のIT市場は、インターネットは好調です。ブロードバンドも普及しています。オンラインバンキング、オンライントレーディングなども強いのです。韓国はインフラが強い。これから新しいパラダイムが来るのではないかと思っています。
韓国のあらゆる企業が持っている課題はなにか? それは、e-businessをeトランスフォーメーションするのが課題だと思っています。それには企業を支援するソリューションが必要です。我々は、企業のe-businessがeトランスフォーメーションするためのビジネスを提供する会社にシフトしたい。時間はかかると思うのですが、そこに力を入れて行きたいと思います。では、ご質問があれば、どうぞ。
[Q] B2BとB2Cの金額ベースでの割り合いはどの程度でしょうか?
[パク氏]
金額面で半々程度です。eCRMはB2Cのひとつに数えています。eCRMを別分野として数えると、B2Bが50%、eCRMが15%、B2Cが35%というところです。
[Q] 御社の資金調達についてお教えください。
[パク氏]
すでにKosdaqに上場しているので、資金は資本市場から調達しています。また、日本法人の場合は、弊社が半分以上、ほかは日本のSI企業の力をお借りして設立いたしました。それ以降、昨年は1回目の上資も行ないました。
お金の話が出たので付け加えますと、現在世界的に資金調達の状態がよくありません。ですから、企業が株の取り引き市場から資金を調達するのは難しくなってきました。
韓国のベンチャー企業も危機を迎えております。米国のベンチャーと話をしても、「どこが最初にお金がなくなるか?」というところが話題になります。韓国では、昨年上場した企業は資金調達しているので今年が厳しくても大丈夫だと思います。今年調達しようとしている企業は厳しいでしょう。そのかわり、投資家側から見れば、今の時期は安い価格で好きな会社に投資するいい時期だと思います。
[Q] 地域別の売り上げ構成をお教えください。
[パク氏]
国別に売り上げの状態を測るのは難しいですね。確かなことは、韓国よりも、日本、中国、米国の市場が大きいので、基本的にはそれらの地域から長期的な売り上げを上げたいと思っています。
[Q] 従業員構成を見ると、60%以上が開発の方々となっています。御社はソウル大学出身者が多いということですが、米国や中国にも研究開発者はいらっしゃるのでしょうか?
[パク氏]
我々は米国にも法人がありますが、米国はリサーチ部門が大きな割り合いを占めています。中国では現地でエンジニアを採用し、開発者が13名います。
[Q] 地域別の売り上げの割り合いについて、理想はどうなりますでしょうか? 各地域の上場時期と調達した額を教えてください。
[パク氏]
ポートフォリオとしても、ある地域だけ急激に売り上げを上げるのはよくありません。まんべんなく上げたいと思っています。ある国に集中するよりも、さまざまな国で売り上げを伸ばしたいと思っています。現在は韓国が80%程度となっていますが、今後は韓国の割り合いを20%程度にしたいと思っています。また、一企業への売り上げが、全体の10%以上を占めてしまうのもよくないと思っています。
さらに今後の製品構成についてですが、いままではB2C、B2B、eCRM関連が中心だったのですが、今後はe-businessプラットフォームを志向していきたいと思います(製品としては、Commerce21 eBaseなど)。こうしたプラットフォーム上で、Sell-Side、Buy-Sideの仕組みが動いているという形にしていきたい。特にeCRM分野については30%程度の割り合いにしたいと思います。弊社のコアは、アプリケーションが動作するプラットフォームの部分です。ここに注力していきたいと思います。
[Q] 日本の現状からいって、ECサイト―販売サイトは儲かっていません。顧客である彼らが儲かっていない以上、ソフトウェアを提供するベンダーも厳しいはずです。ベンダー側から見て、現状に対する突破口はありますか?
[パク氏]
インターネットビジネスのソリューションベンダーは、最近になってから.com企業と同じではないか? という評価も出ています。しかしながらソリューションベンダーは、状況は厳しいが.comとは違います。なんとか今の波を突破しようとしています。ですから、ソリューションベンダーについて基本的な問題点は? と聞かれたら、顧客の要求とソリューションの提供している機能にギャップがあったのではないか? と思っております。
顧客が投資に見あうだけの満足を得られなければ、ソリューションベンダーの危機になる。これからはどのようなバリューを提供するのか、といったことが課題です。顧客の価値を上げるためのソリューションを提供すべきだと思います。
[Q] ソリューションベンダーが生き残るための課題はなんでしょうか?
[パク氏]
売り上げを上げてコストを下げるのがすべての企業の課題です。我々が提供するソリューションが、企業のこうした目標を実現できれば、そのソフトが優秀だと判断されるし、そこを目指して行くことが必要だと思います。
ソリューションベンダーが顧客にアプローチするときは、昔はコンセプトやアーキテクチャ、技術をもってアプローチしました。最近は、顧客がそれらを使った場合にどうなるのか? という問題まで視野に入れています。インターネットビジネスを提供するベンダーは、顧客企業がどのように変化するのか? ということまで見ていかないといけません。
[Q] Ariba、Commerce Oneなどと比べて、御社の製品の強みと思われる点をお教えください。
[パク氏]
他社に比べると、適応性が高いことが挙げられます。たとえば顧客からのニーズに、どうやってフィットさせるのか? ということが強みです。コンピュータメーカーがマーケットプレイスを開設するというときに、それは単純にマーケットプレイスのみの展開ではないと思います。たとえばB2Cとの連動もあるでしょう。CRMもあるでしょう。弊社はいろいろなビジネスモデルを提供しているので、こうした経験を活かした展開を行なうことができるのです。
2番目は、カスタマイゼーションだと思います。我々の製品は、顧客のニーズに合わせたカスタマイジング性が高いという評価を受けています。他社製品は、顧客が製品パッケージにビジネスを合わせますが、我々の場合は顧客に合わせたソフトウェアの提供ができるので、よい評価をいただいているのではないかと思います。
それから、もちろん価格が安いという点も挙げられるでしょう。
[Q] ありがとうございました。
(編集部)
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