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IPv6はやってくるのか!?(その1)


2001年6月3日

世界のIPv6事情

 本来インターネットは北米を中心に発展してきたため、技術的な先進性や優位性だけでなく、IPアドレスなどのリソース面に関しても北米が有利な状況で推移してきた。たとえば、クラスAのアドレスを取得しているのは、そのほとんどが米国の企業や団体(本誌12月号65ページ参照)であり、この状況は今も変わりはない。

 しかしIPv6は全世界が見守る中で、まったく新しいものとして規格化されたプロトコルであり、新興ベンダーやキャリア、ISPなどを含めて同じスタートラインに立って競い合うことになる。ここに目を付けたのがアジアパシフィックやヨーロッパ勢である。IPv6こそが次世代インターネット上に真の競争を持ち込む技術であるととらえ、続々とIPv6対応ハードウェアやソフトウェアのリリース、ネットワークの構築を進めている。1999年7月には、商用利用可能なIPv6アドレスを全世界で申請できるようになった(申請は、RIR(Regional Internet Registry:地域インターネットレジストリ)のAPNIC、ARIN、RIPE NCCに対して行なう)。これにより、アジアパシフィックやヨーロッパにおいてIPv6アドレスの申請が相次ぎ、割り当てを受けている組織の数も北米に比べて格段に多くなっている。

 これは、過去の経緯からIPv4アドレスを潤沢に確保している北米ではアドレス枯渇に対する危機感が薄く、後発であったためにIPv4アドレスの不足が深刻なアジアパシフィックやヨーロッパでは死活問題となっているという温度差が大きな要因となっている。また、北米はほかの国よりもIPv4のインターネットが普及しているため、そのすべてをIPv6化するためには膨大なコストがかかるという事情も、IPv6普及に消極的にならざるを得ない背景として存在するのであろう。

 しかし、2000年3月に米国テルアライドで開催された「IPv6 Summit」で、マイクロソフトとシスコシステムズがIPv6への対応を正式に表明したことにより、IPv6への関心が急速に高まり始めた。一方国内では、7月に横浜で開催された「INET 2000 The Inter net Global Summit」で議論されたIPv6についてのパネルディスカッションを経て、9月21日に行なわれた第150回国会における森喜朗首相による所信表明演説で「IPv6」というキーワードが盛り込まれたことも記憶に新しい。

 一方、IPv6をビジネスとして普及させることを目的として1999年に発足したIPv6 FORUM(http://www.ipv6forum.com/) の活動も活性化してきた。2001年1月現在、約100のメンバー組織が加入を済ませ、IPv6をビジネスとして発展させるための取り組みが行なわれている。この活動により、IPv6というキーワードが一般の目に触れる機会が飛躍的に増加し、普及に弾みがついている。IPv6 FORUMでは、年に数回程度のIPv6 Summitと呼ばれる会合を開き、IPv6技術の啓蒙や、世界中のIPv6普及に関する企業や団体の活動を紹介し議論する場を提供している。2000年12月には、アジア初のIPv6 FORUM公認のイベントとなる「Global IPv6 Summit in Japan(http://www.jp.ipv6forum.com/) 」が大阪で開催された(105ページコラム参照)。日本企業から多数の製品やサービスの紹介があっただけでなく、ソニーやNTTコミュニケーションズといった日本のIT産業を牽引する企業のトップによるパネルディスカッションが実施されたり、IPv6 FORUMのイベント史上最大の652名の参加者が集まるなど、日本におけるIPv6に対する関心の高さが伺えた。  では次に、IPv6の技術的な詳細について見ていこう。IPv4とIPv6の違いを説明する際には、非常に分かりやすい例としてアドレス数の多さが取り上げられることが多い。しかしそれ以外にも、これまで運用してきたIPv4ネットワークのメリットを生かした機能が盛り込まれている。

(神戸道正、ネットワークマガジン編集部)


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