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ついにApolloが世界初公開!! 今年後半にα版をリリース


2006年8月7日
Adobe IDEASが行なわれた新木場の“STUDIO COAST”
Adobe IDEASは新木場のクラブ“STUDIO COAST”で行なわれた

アドビ システムズ(株)は4日、東京・新木場のクラブ“STUDIO COAST”において、ウェブデザイン/グラフィックデザイン/映像制作のクリエイターを対象にしたユーザーイベント“Adobe IDEAS 2006”を開催した。このイベントの中で、先日インタビューした米アドビ システムズ社のWeb&ビデオ製品担当バイスプレジデントのジム・ジェラルド氏が基調講演を行ない、FlashとPDF、HTMLを組み合わせた次世代プラットフォーム“Apollo”(アポロ)のアプリケーションが世界で初めて公開された。



アドビとマクロメディア統合後、
初の大イベント『Adobe IDEAS 2006』開催

ジム・ジェラルド氏
米アドビ システムズのWeb&ビデオ製品担当バイスプレジデント、ジム・ジェラルド氏

イベントは、まずジェラルド氏による基調講演からスタートした。氏は「情報過多の時代にあって、メディアが影響力を競っています。6000万のウェブサイトが存在し、オンライン広告の伸びは40%以上です。消費行動は変化してきており、メリルリンチの調べではオンライン広告が紙の広告を上回っているとしています。210億のビデオがストリーミングされ、リッチメディアのキャンペーンは影響力が増し、モバイルに大きなチャンスが期待できます。ABCやディズニーはオンラインで、“デスパレートな妻たち”や“LOST”をFlash Videoを使って、配信しています。3億7000万台のカメラ付きケータイがあり、世界最大規模のデジカメメーカーがノキア(!!)という状況において、携帯電話ユーザーの100%がビデオを購読するでしょう」と、インターネットでのリッチメディアの最新状況を解説した。

アドビのFlashプラットフォーム
6億台に浸透しているというアドビのFlashプラットフォーム

さらにジェラルド氏は2社の統合による影響について、「印刷媒体も重要であり、クリエイティビティーの可能性を最大限に確保する上で、マクロメディアとの統合による“エンゲージメントプラットフォーム”で、より表現力が広がるでしょう。統合後の取り組みとして、買収完了から6週間後に新しいデジタルビデオとオーディオの製品を2年ぶりにリリースすることができました(編集部注:『Adobe Creative Suite Production Studio』を指すと思われる)。登場から10周年を迎えるFlashは、(実行環境であるFlash Playerが)6億台のパソコンにインストールされており、今後『PSP』などのポータブルプレーヤー、Jaguarなどの車、冷蔵庫にも搭載され、10億台以上のデバイスで使われるでしょう。一度Flashで制作すれば、より高い品質で多くの人が見ることができます」とそのメリットを強調した。

Flash発売10周年を記念して開催される“Motion Award”
Flash発売10周年を記念して開催される“Motion Award”

なお、同社ではFlash発売10周年を記念して、Flash作品を募集するコンテスト“Motion Award”を開催する。“Flashアニメーション”、“Flashインタラクティブ”、“ショートフィルム”、“モバイル”という4つの作品部門を設けており、すでに募集を開始している。締め切りは11月15日で、結果は12月14日に発表される。



Apolloアプリケーションをその場で制作してみせた

続いて、ジェラルド氏は“エンゲージメントプラットフォーム”が生む次世代のプラットフォームとして、Flash+PDF+HTML+Ajaxによる“Apollo”(アポロ)アプリケーションを紹介した。

Apolloは一般的なウェブブラウザーおよびファイルシステムを介してインストールされるアプリケーション環境であり、デスクトップアプリケーションと同様に起動できるという。アプリケーション側からオンライン/ローカルファイルをコントロールでき、通常のデスクトップ上の機能とも統合できる。

polloはFlash、PDF、HTMLすべての要素を兼ね備えたもの
ApolloはFlash、PDF、HTMLすべての要素を兼ね備えたもの
ApolloはFlash、PDFの特性を活かしたクロスプラットフォームのランタイムでもある
ApolloはFlash、PDFの特性を活かしたクロスプラットフォームのランタイムでもある

ジェラルド氏は、「このApolloアプリケーションは、2006年後半にαバージョンをリリースしますので、ぜひみなさんダウンロードしてみてください。2007年上半期にはファイナルをリリースします。現状では(Apolloアプリケーションを)“Flex Builder”で作成できますが、『Flash』や『Dreamweaver』などのクリエイティブプロダクトでも作成できるようになります。現在、さまざまな開発チームが、どうやってどのアプリケーションに組み込むかを検討しています」と語った。

会場でデモして見せたApolloアプリケーションの例
会場でデモして見せたApolloアプリケーションの例。フライトスケジュールやホテルの予約、参加者のスケジュール調整などをシンクロできる、旅行計画のためのアプリケーションだ
ローカルHDDに保存されたファイルを使ってオフライン時にも新たにオーダーできる
ローカルHDDに保存されたファイルを使ってオフライン時にも新たにオーダーでき、オンラインになった際に実行処理される
必要な事項を選択してプリント
必要な事項を選択してプリント
Apolloアプリケーションから必要な情報を取り出してプリント
Apolloアプリケーションから必要な情報を取り出してプリントされている。最後のページには現地での地図やホテルでのチェックイン用バーコードまでプリントされている。さしずめデジタル化された“旅のしおり”だ
同様の手順で、モバイル機器へのデータ転送も可能
プリントと同様の手順で、モバイル機器へのデータ転送も可能
プリントをなくしても、モバイル機器でも情報を見ることができる
プリントをなくしても、モバイル機器でも情報を見ることができる


Apolloアプリケーションの事例紹介に“Apollo Tunes”

スコット・フィジェット氏とWeb&ビデオ部の古村秀幸氏
デモでは実際にFlex Builderを使ってApolloアプリケーションを作成してみせた。画面は“Hello Apollo”のソース画面。右下はデモを行なったDeveloper Relationsのスコット・フィジェット(Scott Fegette)氏とWeb&ビデオ部の古村秀幸氏(写真左)

これまでマクロメディア、アドビのいずれにおいても、Apolloはその概念や動作イメージのみが先行して紹介されてきたが、今回世界で初めてApolloアプリケーションの実際の姿が公開された意義は大きい。デモでは、Flex Builderを使ってその場でApolloアプリケーションを作成してみせた。ウィンドウのフレームに透過処理がされて、“Hello Apollo”と表示するだけの簡単なアプリケーションだったが、紛れもなく独立したアプリケーションとして作成できた。次にすでに作成しておいた“Apollo Tunes”と名付けられたメディアプレーヤーを紹介した。Amazon.comからレーベル情報を引っ張ってきたり、楽曲情報のソートやビジュアライザーも表示できる機能を紹介した。



デザイン画面で表示状態を確認
デザイン画面で表示状態を確認
Apolloアプリで“Hello Apollo”と表示
“Hello Apollo”と表示した、ごく基本的なApolloアプリケーション
『Apollo Tunes』のソース画面
『Apollo Tunes』のソース画面
Apollo Tunes
Apollo Tunes。Amazon.comのデータと連携している
ビジュアライザーもサポート
ビジュアライザーもサポート

Apolloプラットフォーム以外では、『Adobe Illustrator』で作成した2Dグラフィックスを使って、『Adobe After Effects』にレイヤーを保ったまま取り込めることで、アニメーション作成ができるアプリケーション間の連携を紹介した。

『Adobe Illustrator』で作成した2Dグラフィックスを
『Adobe Illustrator』で作成した2Dグラフィックスを……
レイヤーを保ったままAfter Effectsに取り込んで、アニメーションを作成
レイヤーを保ったままAfter Effectsに取り込んで、アニメーションを作成
HDでの上映も可能だ
HDでの上映も可能だ
マスクを切ってガイドになる人物をのせ、ギャラリーを作成した
さらにマスクを切ってガイドになる人物をのせ、ギャラリーを作成できる


アドビの社内に存在するライバルソフトの行方は?

基調講演の最後にジェラルド氏は、ユーザーの間でかねてからその動向が話題になっていた、アドビとマクロメディの両社間で競合関係にあったプロダクトの行方について、3つの公式な見解が示された。

まず最初は、現在『Dreamweaver』と『GoLive』の2製品が存在するウェブオーサリングツールについて。Dreamweaverは94%のマーケットシェアを持っており、一方GoLiveはCreative Suiteの重要な資産であり、印刷関係にとっての重要なツールだ。まず、いずれも次期リリースを開発中だが、将来的にはDreamweaverをCreative Suiteに統合していき、GoLiveは開発とサポートを継続しながらスタンドアロンの製品として展開していくとした。

次にIllustratorFreehandの2製品が存在するイラストレーションツール。Freehandは2001年以降新しいリリースを行なっておらず、今回、『STUDIO8』にも組み込まれなかった。このFreehandは、GoLiveと同様にスタンドアロンとして開発を続けるとのことだ。

最後に画像編集ツール『Fireworks』について。Fireworksは、ビットマップとベクターデータを同時に扱えるユニークなツールであり、ウェブワークフローに最適化されている。今後はさらに開発に力を入れ、Photoshopとの緊密に統合していくと語った。

(千葉英寿)





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