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【NetWorld+Interop 2004 Tokyo Vol.2】シスコシステムズが目指すもの――マイク・ボルピ氏が基調講演


2004年7月1日

“NetWorld+Interop 2004 Tokyo”開幕初日の基調講演は米シスコシステムズ社の上級副社長兼ジェネラルマネージャー ルーティングテクノロジーグループのマイク・ボルピ(Mike Volpi)氏ではじまった。氏の講演テーマは“進化するネットワークとそのインパクト〜次世代ネットワークとコンバージェンスのあり方とは〜”というもの。

米シスコシステムズ社の上級副社長兼ジェネラルマネージャー ルーティングテクノロジーグループのマイク・ボルピ(Mike Volpi)氏
米シスコシステムズ社の上級副社長兼ジェネラルマネージャー ルーティングテクノロジーグループのマイク・ボルピ(Mike Volpi)氏
満席になった会場
満席になった会場

コンバージェンスというのは直訳すると集中化ということになるが、ともすればこの言葉は勘違いされやすく、人によって捕らえ方が違ってくる。氏は

マイク・ボルピ(Mike Volpi)氏が指摘する3つの重要なコンバージェンス
マイク・ボルピ(Mike Volpi)氏が指摘する3つの重要なコンバージェンス

  • ネットワークのコンバージェンス
  • サービスのコンバージェンス
  • アプリケーションのコンバージェンス

という3点を重要なポイントとして紹介した。ネットワークのコンバージェンスというのは、さまざまなネットワークを簡素化していくということ。ビデオ、携帯電話、そのほかデータ、それらばらばらに存在する別々のレイヤーを取り除き簡素化していくことを意味する。サービスのコンバージェンスは、サービスプロバイダーとユーザーの関係をシンプルにしていくことで、携帯電話、DSL、FTTH、それら異なったサービスを統合していくことだ。アプリケーションのコンバージェンスは、音声、ビデオなど全てがひとつのネットワーク上の載っていくという考え方だ。

氏が繰り返し強調するのは「ひとつの簡素化されたネットワークでサービスを提供する」ということだ。そして「この基盤にあるのがシスコがやろうとしていること。つまり、ひとつのコンバージしたIPパケットネットワークを提供するということ」であるという。氏はこのためのアーキテクチャーを示しながら、重要なのは常時稼動し続ける(Always on)ということ、サービスレベルを保証するということ、将来登場するであろうアプリケーションのためにもキャパシティーが調整可能であることを強調した。これを目指し、シスコシステムズでは年間34億ドル(役3680億円)をR&Dに投資しているという。

「IP/MPLSのコアをベースにマルチサービスがある。プライベートライン、専用線、VPN、ビデオ、音声などどんなサービスであろうとエッジからプッシュされる。すべてがIP/MPLSベースとなっている。このネットワークの特徴が非常に需要だ」(ボルピ氏)
「IP/MPLSのコアをベースにマルチサービスがある。プライベートライン、専用線、VPN、ビデオ、音声などどんなサービスであろうとエッジからプッシュされる。すべてがIP/MPLSベースとなっている。このネットワークの特徴が非常に需要だ」(ボルピ氏)

「我々はチップにも投資をしている。ネットワークの会社が本当にチップを作っているのか?と疑問に思う方もいるかもしれないが、実際に作っている。また、IPソフトの信頼性をいかに上げ、差別化するにはどうしたらいいかを常に考えている。MPLS(マルチプロトコルラベルスイッチング)はその例だ。また単にルーターやスイッチを提供するのではなく、ネットワークを提供するということ。ここに、ほかのベンダーとの違いがここにあるのだ」

そして、29日に発表した『Cisco CRS(キャリアルーティングシステム)-1』(以下、CRS-1)を紹介した。CRS-1はサービスプロバイダーをターゲットとしたパケット通信システムだ。サービスプロバイダーは、コアからエッジまでアクセスポイントの処理を行なうために、機能別のルーティングノードを設置して各ネットワーク機能を強化してきた。しかし、サービスが拡大するとこのような設計では3〜5年に1度、ネットワークを再構築しなければならない。CRS-1は、複数のアクセスポイント機能を統合することができ、従来のコアからエッジまでの境界線をもたない。10年間の使用を考えて設計されているという。

29日に発表された『Cisco CRS(キャリアルーティングシステム)-1』
29日に発表された『Cisco CRS(キャリアルーティングシステム)-1』
会場の入り口に設置され稼動していた『CRS-1』。シスコシステムズ(株)と展示会場の入り口にあるものの2台が、現在日本に存在する『CRS-1』だ
会場の入り口に設置され稼動していた『CRS-1』。シスコシステムズ(株)と展示会場の入り口にあるものの2台が、現在日本に存在する『CRS-1』だ

CRS-1について、常時稼動(Always on)、サービスのフレキシビリティー、拡張性といった特徴を挙げながら、「300名のエンジニアで4年かかかった」というシステムを具体的に紹介した。

まず常時稼動に関しては、次世代のOSを搭載しているとして『Cisco IOS XR』を挙げた。このOSについては細かい独立したプロセス処理や障害による影響範囲を限定し、隔離する機能を備えている。同OSは真の通信グレードOSだとアピールした。 「それぞれのモジュールは独立しており、これがクラッシュすれば自分でリスタートし、自己回復を行なう。また、障害の封じ込めを行なうので他に影響を及ぼさない。停止たり再起動したりするのも、パケットのルーティングをすると同時に別途やることができる」。

自己回復型
メモリープロテクトされたマイクロカーネルが下にあり、その上に通信を可能にするメッセージングレイヤーが入る。その上に数多くのモジュールが構成され、それぞれがコントロールプレーンの要素を示している。それぞれのモジュールが独立しており、クラッシュすれば自分でリスタートし、自己回復する

またCRS-1はラインカード16個を搭載し1.2Tbpsを処理する。最大72台を相互接続(クラスター化)することで92Tbpsの処理を行なうことが可能だ。氏は「興味深いチップのテクノロジー」として40Gbpsの処理が可能なCiscoシリコンパケットプロセッサー(SSP)を紹介した。これは188個の独立したCPUをひとつのチップ上に載せたもので、それぞれがプログラム可能だ。これによってひとつのハードウェアの上にコア、エッジ、ピアのルーティングを設定し、異なる機能をロードできるようになる。「例えばエッジ志向のフィーチャーから、コア志向のフィーチャーまでいろんなものができる。5億ドル(約540億円)かけてこの製品に投資した」とアピールした。。

展示会場で公開されていたモジュラーサービスカード
展示会場で公開されていたモジュラーサービスカード

さらに強調されたのがルーターの進化だ。「従来はプロバイダーのネットワークに接続する点と考えられていたが、カスタマーの構内のエレメントはルーターではなくなり、サービスのデリバリーポイントになっていく。IPsecなどのシステムを別途購入するなんてことがあったが、それが全部ルータのなかに圧縮して入っていると思っていただきたい」と続けた。今後ますますIP電話が中心になっていき、非常に多くのVoIPサービスがプラットフォームで構築提供することができるようになる。そこでは電話番号管理、ボイスメール、バックエンドシステムとの統合などの機能もルーターに備わるようになると話した。

(編集部 小板謙次)





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