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【NetWorld+Interop 2003 Tokyo Vol.5】“ムーアの法則には誰も逆らえないのです”──米インテルのマイク・リッチ氏が基調講演


2003年7月3日

6月30日より開幕した“NetWorld+Interop 2003 Tokyo”で、米インテル社インテル・コミュニケーションズ事業本部 副社長兼オプティカル製品事業部長のマイク・リッチ(Michael A. Ricci)氏は2日、“コンピュータと通信の融合 〜コンピュータは通信し、通信機器はコンピューティングする〜”と題し、ネットワークの現状と将来像についての基調講演を行なった。

米インテル社インテル・コミュニケーションズ事業本部 副社長兼オプティカル製品事業部長のマイク・リッチ(Michael A. Ricci)氏
米インテル社インテル・コミュニケーションズ事業本部 副社長兼オプティカル製品事業部長のマイク・リッチ(Michael A. Ricci)氏

リッチ氏はまず、ネットワークトラフィックの現状について、「2分ごとに1636台の携帯電話が販売され、“Google”では2万7777件の検索が行なわれ、米アマゾン・ドット・コム社は198万円分の賞品を販売し、415万3607人の“Kazaa”ユーザーがファイルを交換している。そして、インターネットでは2分ごとに250兆ビットのデータがバックボーンで扱われている」と、インターネットでやりとりされる情報が非常に多いことを指摘。「ユーザーの増加や新サービスによってトラフィックが増大する一方、ビットあたりの収益は減少しており、サービス化とコスト削減を実現するために、モジュラリティー、スケーラビリティー、フレキシビリティーが重要な戦略となる」と、ネットワークビジネス戦略の方向性を紹介した。

新しいサービスによる収入増と、運用コストや設備投資の圧縮が競争の新しい基盤になるという。対応する戦略としては、モジュラリティー、スケーラビリティー、フレキシビリティーを強化することになる
新しいサービスによる収入増と、運用コストや設備投資の圧縮が競争の新しい基盤になるという

日本の現状については、「日本は携帯電話によるコンピューティングやADSL、家庭内ネットワークの普及で世界をリードしており、通信機器とコンピューターの融合が進んでいる。今後はコンピューターが通信機器の役割を担うようになるだろう」と語り、具体例として7月1日に発売されたブロードバンドルーター『Web Caster 7000』を挙げた。『Web Caster 7000』については、西日本電信電話(株)BBアプリケーションサービス部 情報端末部 担当課長の秦泉寺浩史氏がデモを交えて紹介した。

西日本電信電話(株)BBアプリケーションサービス部 情報端末部 担当課長の秦泉寺浩史氏。右にあるのがデモに使用された『Web Caster 7000』
西日本電信電話(株)BBアプリケーションサービス部 情報端末部 担当課長の秦泉寺浩史氏。右にあるのがデモに使用された『Web Caster 7000』

秦泉寺氏は『Web Caster 7000』について「インテルのIXP425ネットワークプロセッサーを採用した“レジデンシャルゲートウェイ”製品で、USB 2.0、PCカード、拡張スロットといったインターフェースがあるのが特徴だ。高速なプロセッサーと大容量のメモリーを搭載していることで、ルーター機能だけでなく、動画のエンコードなども可能になっている」と、実際にインターネット上でストリーム配信されている動画をデスクトップパソコンと“Centrinoモバイル・テクノロジ”搭載ノートパソコンで受信しながら、USBカメラで撮影した画像をエンコードして配信するというデモを行なった。

『Web Caster 7000』を通じて受信した画像をテレビに表示している。『Web Caster 7000』にはUSBカメラが接続されており、画像のエンコードも同時に行なうデモが行なわれた
『Web Caster 7000』を通じて受信した画像をテレビに表示している。『Web Caster 7000』にはUSBカメラが接続されており、画像のエンコードも同時に行なうデモが行なわれた

リッチ氏はさらに、コンピューターと通信が融合したサービスとして、音楽配信、インスタントメッセージング、無線LANなどを挙げ、インテルの“Centrinoモバイル・テクノロジ”はこのようなサービスに対応するための製品であると語った。

今後のネットワーク事業の方向性に関しては、「1980年代のコンピューター業界は各ベンダーが互換性のない垂直型のビルディングブロックを提供していた。しかし現在は、標準化されたチップやコンピューター、OS、アプリケーションといった水平型のビルディングブロックを提供する構造に変わっている。通信業界も同じように、標準化されたビルディングブロックを利用する方向に業界の構造が変わりつつある」と語り、インテルのチップや光トランシーバーといった製品を紹介した。

通信業界の新しいビルディングブロック模式図。モジュラー・ハードウェア、標準規格の接続、キャリアグレード仕様を満たすOS、アプリケーションやミドルウェアといった水平的なビルディングブロックを利用する方向に変化しているという
通信業界は、ベンダーごとに固有のハード/ソフトを開発していた状態から、標準に基づいたビルディングブロックを提供する方向に変化しているという

最後にリッチ氏は「今日の講演のとおり、インテルはコンピューターと通信の融合を進める。“ムーアの法則”には誰も逆らえない。我々はこの融合による新しい価値創造を進めるつもりだ」と語り、講演を終えた。

(編集部 阿蘇直樹)





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