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ライフボート、メガソフトの出資により再創業


2002年8月30日

(株)ライフボートとメガソフト(株)は29日、9月1日付けで“株式会社ライフボート”を再創業し、正式に営業を開始すると発表した。

ライフボートは、1981年3月にパソコン用システムソフトウェアの輸入・販売会社として設立された。その後、1998年1月に“株式会社ソフトボート”と社名を変更したが、2000年4月のオーナー交替以降、急速に財務体制が悪化し、最終的には本年5月1日付けで、(株)アイネットにより、アイネットの子会社(株)プロトンに吸収合併されて消滅するに至った。

今回の再創業は、プロトンの中での従来の事業の継続に困難を感じ、再創業を志した元ソフトボートの社員役員に共感したという、メガソフトの出資支援によるもの。取締役会長に、メガソフト社長の前坂昇氏が、代表取締役社長にはソフトボートの前取締役製品本部長だった森誠氏が就任している。本社所在地は、東京都千代田区神田神保町2-2-34。資本金は5000万円で、そのうち60%をメガソフトが出資している。残りの40%については、再創業にあたった社員が出資しているという。

ライフボート代表取締役社長の森誠氏
ライフボート代表取締役社長の森誠氏

発表会において、ライフボート代表取締役社長の森誠氏は、第1次ライフボートの設立から消滅、そして再創業に至るまでを語った。同氏は「ライフボートは1981年に、主に海外から開発ツールを日本語化して発売していくという業務を行なう会社として設立された。業績は順調に推移して、5、6年で10億前後の売上高に達した。しかしそれ以降、12億、13億の壁を突破できなかった」

経緯
ライフボート設立の経緯

「この状況を打破するために、親会社を持つことによって財務的バックボーンを厚くするという方法をとった。資本政策の変更もあって、1988年に“ソフトボート”と会社名を変えた。親会社となる会社を探し、アイネットにソフトボートを売却し、アイネットの子会社となった」

「しかし、残念ながらパソコンのカルチャーを持つライフボートと、メインフレームの開発とサービスプロバイディングを主とするアイネットとでは、資本政策や経営決定の手法というところで必ずしもうまく疎通が図れなかった。当初ソフトボートでもくろんでいたような資本政策が取れない間に、2001年にアイネットが(株)ソフトサイエンスと合併。その時に子会社に対する政策として、ソフトボートは(株)ワイ・デー・ケーシステムセンターとともにプロトンに合併され、ソフトボートは消滅した」

「だが実際のところ、プロトンというのはパソコンメーカーで、YDKはハードウェアのメーカー。ソフトのパッケージを発売しているソフトボートとは、協業する接点が見つけにくい相手だった。この合併について、ソフトボートの位置付けがよく分からないという社員がたくさんいたことと、プロトンに対する財務的な不安もあり、退職を考える社員が多数出ていた」

「ソフトウェアの専業販社として、それなりの実力者が集まった会社がばらばらになってしまうことを惜しみ、私が新しくライフボートという会社を作ることを言いだし、参加する気があるなら集まってもらえないかと話をしたところ、今回ライフボートを創業するに至るだけの人数が集まった。法人格として、プロトンがソフトボートを引き継いでいるが、人的リソースや本来持っていたソフトボートのカルチャーは、ライフボートが実質的に引き継いでいると考えてよい」と述べた。

事業領域
新生ライフボートが狙う事業領域。「システムおよびネットワーク管理のツール、またサーバー管理のツールに絞って出荷していきたい」と森氏

また同氏は、再創業したライフボートの展開について「再創業と言っても、以前のライフボートそのものを再現するわけではない。時代も変わっているし、ソフトボート時代には反省すべき点もあった。ソフトボートは、システムツールとして非常に幅広い製品を扱っていた。そのために、リソースが分散する傾向が見受けられた。事業領域を、システムおよびネットワーク管理のツール、またサーバー管理のツールに絞って出荷していきたいと考えている」

「なぜ、この市場を狙うのかというと、企業内のネットワークやシステムなどにトラブルがあったとき、専門的な知識がある人間が当たらなければならない。しかし、そういった人間の数はますます不足していくので、素人でもメンテナンスができるシステムなどの需要は高まっていく。ネットワークの市場は、新しい技術が今後さらに普及していく。それに伴って、専門家向けの最先端の技術を実装したツールの需要も、ますます強まってくると考えている」

予想売上高
予想売上高。2005年までに12億円を見込んでいる

「売上は、2003年6月までに約4億円、2005年までに約12億円を見込んでいる。ソフトボートで約11億円の売上を作っていた人たちが、同じ業態で同じ職務をしていくことを考えると、実現性のある数字だと思っている。また、2005年には株式公開を行ないたい。目的は、エンジニアリングリソースを強化するために、エンジニアリング会社を買収する資金を得ること。我々も被買収企業なので、買収された会社が、買収した会社に何を期待するのかは体験済み。この経験が、3年後の株式公開や他企業の買収などの際に役立つのではないかと考えている」と語った。

最後に同氏は「旧ソフトボートの経営を総括し、その精神を引き継ぎつつ、反省に基づいた改善をしていき、ライフボートを発展させていく。そして、ライフボートをシステム&ネットワーク管理ツールの信頼のブランドとして確立していいきたい」と締めくくった。

メガソフト代表取締役社長で、ライフボート取締役会長の前坂昇氏
メガソフト代表取締役社長で、ライフボート取締役会長の前坂昇氏

続いて、メガソフト代表取締役社長で、ライフボート取締役会長の前坂昇氏が、ライフボートの設立と今後の展望について語った。同氏は「両社とも同じソフトウェアにビジネスを置いているが、ライフボートとメガソフトとでは、異なったセグメントで営業してきた。両社が手をつなぐことによって、メリットを生みだそうとしたのが出資のきっかけ」

メガソフトとライフボート、両社の特性
メガソフトとライフボート、両社の特性

「今回の創業により、両社が相互補完関係を持つ。ライフボートの持つ個人向け商品の流通をメガソフトが担当し、生産、販売、オンラインシステムなどについてもリソースを共有する。そして、メガソフトのシステム系商品の法人向け販売を、ライフボートが担当する。将来的には、両社の強みを生かした商品の共同開発も視野に入れている。また9月からは、食や健康に特化したソフトハウスの(株)夢工房とも連携を開始する。ライフボートは、メガソフトとともにソフトウェア業界の活性化のために努力を続ける」と述べた。

両社の強みを生かして、生産流通を最適化する
両社の強みを生かして、生産流通を最適化する
ライフボート執行役製品部部長の松下昌浩氏
ライフボート執行役製品部部長の松下昌浩氏

そして、ライフボート執行役製品部部長の松下昌浩氏が、提携ベンダーおよび取り扱い製品についての説明を行なった。同氏は「弊社は、米V Communications社、米W.Quinn社、オランダのSherpa Software International社、香港のITOK Technologies社の4社と提携して、各社のソフトの輸入・販売を行なう。V Communicationsの製品は、現在プロトンが販売しているが、弊社はすでにV Communicationsと正規総代理店契約を交わしている。2003年2月までには、すべての製品の販売が弊社に一本化することになる。また、ネットアイキュー(株)のテクニカルパートナーとして、同社の製品のサポートと販売を行ない、メガソフトの企業向け製品についても、弊社が販売を担当する」と述べた。同社の取り扱い製品については、以下の通り。

V Communications製品
『CD Anywhere ネットワーク版』
ネットワーク対応のCD/DVD仮想化ユーティリティーソフト。10月25日販売開始
『Copy Commander』
ハードディスクのアップグレード・ユーティリティーソフト。10月25日販売開始
『System Commander 7』
マルチOS管理&パーティショニング・ユーティリティーソフト。2003年2月以降販売予定
W.Quinn製品
『StrageCentral Ver.5』
サーバーストレージ管理ユーティリティーソフト。英語版のみの提供。9月1日販売開始
Sherpa Software International製品
『Mail Attender』『PST Attender』
メールサーバーファイル&クォータ管理ソフト。11月発売予定
ITOK Technologies製品
『TrendEasy』
ウェブ性能計測ソフト。2003年2月以降販売予定
NetIQ製品
『WebTrends Analysis Series』
インターネットサーバー分析&管理ソフト。9月1日販売開始
『WebTrends Firewall』
ファイアーウォールログ分析ツール。9月1日販売開始
『WebTrends Reporting Center』
ログ解析&レポーティングソフト。9月1日販売開始
メガソフト製品
『WebSTARFAX』
FAXサーバーソフト。9月1日販売開始

発表会の最後に行なわれた質疑応答の時間では、監査役に就任した馬淵恒夫氏(旧ソフトボート代表取締役)と、特別顧問に就任した田先政秀氏(旧ソフトボート創業者)が復帰することはあるのだろうか、という質問がなされた。これに対して田先氏は「復帰する予定はない。社長の仕事というのは、自分の得意なことをするのではなく、社員がそれぞれ得意とする仕事に割り振られた後に、引き算で残ったこと。それを20年してきたので、これからは自分が得意だと思うことをやっていきたいと思う」と述べた。

馬淵恒夫氏と田先政秀氏
左から監査役に就任した馬淵恒夫氏(旧ソフトボート代表取締役)と、特別顧問に就任した田先政秀氏(旧ソフトボート創業者)

また、創業に関してアイネットからの支援が出ているという噂がある、という質問に対しては、森氏が「端的に言って、そういったことは全くない。個人的にはお世話になった方もいるが、創業に際してアイネットに対する働きかけはしなかったし、向こうからもなかった。その噂は聞いたことがある。しかし、弊社にとっても、プロトンやアイネットにとっても迷惑以外の何者でもないので、ここではっきりと否定させていただく」と語った。

(編集部)





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