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「もっと対価が得られるビジネスモデルを考えるべき」DCAjの滝沢氏――『デジタルコンテンツ白書2002』の発刊で


2002年7月31日

(財)デジタルコンテンツ協会(以下DCAj)は31日、デジタルコンテンツの市場規模などについてまとめた書籍『デジタルコンテンツ白書2002』を発刊した。価格は4500円。政府刊行物を取り扱う全国の書店、および同協会のウェブサイトから購入できる。CD-ROMやウェブを通じての電子データの配布は行なわない。

『デジタルコンテンツ白書2002』
『デジタルコンテンツ白書2002』

同書は、パッケージで流通するコンテンツと、ネットワーク形態で流通するコンテンツの双方を含むデジタルコンテンツを対象とし、映像、音楽、ゲーム、出版を中心とする市場の状況についてまとめたもの。また関連市場として、コンテンツを制作、視聴するためのハードウェアおよびソフトウェア製品を対象としたプロダクツ市場や、コンテンツの制作や視聴を支援するサービス、ネットワーク形態による流通に関連するサービスを対象としたサービス市場の状況についてもまとめている。集計は、店頭などでユーザーが品物を購入した金額を基本としている。

同書では、2001年のデジタルコンテンツ市場は、1兆6828億円で前年比107.3%と推計。DVDなどの映像系コンテンツが2036億円で前年比144.5%と高い伸びを示しており、ゲームコンテンツは、新ハードウェアの登場による影響を受けて前年比97.1%とマイナスになっている。音楽系コンテンツは、CDの売り上げが4896億円で前年比93.5%と、3年連続で減少。この原因としては、音楽CDをコピーする“カジュアルハッキング”や、若者人口の減少による影響が大きいという。また、シングルCDは買わないがアルバムなら買うなど、利用者の購入傾向が変化し、従来のプロモーション手段が有効に機能していないことを挙げている。

一方、パッケージ市場は1兆2013億円とデジタルコンテンツ市場の約7割を占めるが、ネットワークコンテンツでは、業務用通信カラオケやオンラインデータベースによる売り上げがほとんどを占め、ブロードバンドによる映像や音楽の有料コンテンツは、市場としては低水準となっている。そして携帯電話向けコンテンツは、着メロや待ち受け画面などによる売り上げが成長を牽引し、1154億円で前年比284.0%と、驚異的な伸びを示している。

2002年のデジタルコンテンツ市場については、1兆8872億円で前年比112.1%に成長すると予測している。関連市場として、プロダクツ市場が6兆3190億円で前年比105.2%、サービス市場が3兆9739億円で前年比121.8%に成長するという。

プロダクツ市場は、デジタル放送受信端末が2156億円で前年比152.0%、DVDプレーヤーが1568億円で前年比157.3%、家庭用ゲーム機が3366億円で前年比144.0%と、市場を牽引するとしている。しかし、パソコンは1兆7869億円で前年比94.8%と前年度を下回り、インターネット対応携帯電話は、1兆7568億円で前年比106.3%と微増にとどまると見込んでいる。サービス市場は、インターネット対応携帯電話のパケット通信費を中心とする通信回線が、1兆7501億円で前年比143.3%と、今年も高成長を維持すると見ている。また、ADSLの伸びでインターネット接続サービス市場も順調に推移するが、価格競争や設備投資の負担により、6550億円で前年比132.5%と、ISPには厳しい状況が続くという。一方、出版系コンテンツは、新学習指導要領のもとで、デジタル教材の需要が高まると見込んでいる。

このほか同書では、特集として“デジタルコンテンツのビジネスモデル”を掲載している。これによると、従来のメディアビジネスにおけるハードとソフト(コンテンツ)の関係は、市場規模はハードが普及期から成熟期になるにつれて、ソフトの市場が拡大し、ハードの市場を上回るという関係になっていた。しかしネットワークではこの図式が成立せず、ブロードバンドやモバイルなど、ネットワークにおける有料コンテンツ市場は、当面の間低水準で、ビジネスモデルの模索が続くという。この原因としては、インターネットがビジネスをベースとしない自由な場であることや、簡単にコピーや配布、配信が可能であることなどを挙げている。

滝沢氏
DCAj企画グループ企画調査部研究主幹の滝沢泉氏

発表会で、DCAj企画グループ企画調査部研究主幹の滝沢泉氏は「デジタルコンテンツ市場は、今後も映像や音楽などのパッケージ市場が大半を占めるだろう。ネットワーク系コンテンツにも期待はできるが、無料サイトや無料コンテンツが足を引っ張ると予想される。この状況は、ユーザーにとってはありがたいものだが、市場にとっては厳しい」と述べ、「ネットワークビジネスは、もっと対価が得られるビジネスモデルを考えるべき。この状況はまだ数年は続くと予想している。特集で、インターネットにおけるコンテンツの課金モデルやプロモーション展開などについて網羅しているので参考にしてほしい」と語った。

(編集部 田口敏之)





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