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「Wi-FiロゴはIEEE 802.11すべての技術をカバーするものに」──WECAのイートン会長インタビュー


2002年7月6日

アジアのWECA加盟企業が大幅増加

無線LAN製品の相互接続性を認定する非営利の業界団体である“WECA(Wireless Ethernet Compatibility Alliance)”は4日、千葉・幕張メッセで開催された“NetWorld+Interop 2002 Tokyo”において記者説明会を開催し、“Wi-Fi(ワイ ファイ)”認定の現状と今後の見通しについて説明した。また、ASCII24編集部では、発表会に出席したデニス・イートン(Dennis Eaton)会長にインタビューする機会を得、Wi-Fi認定の問題点などについて尋ねた。

WECA会長のデニス・イートン氏
WECA会長のデニス・イートン氏

アジア企業のWECA加盟が急増、互換性をチェックするラボを東京に設置

記者説明会でイートン氏はまず、「IT業界・市場の不振にも関わらず、無線LAN製品の出荷は継続して増加しており、(Wi-Fiの)認定製品数は370以上に達している」と、無線LAN製品市場が世界的に好調であることを紹介した。続いて、最近WECAに加盟した企業ではアジア地区の企業が多く(日本20社、韓国14社、台湾31社、中国1社)、加盟企業全体の45%と、1年前の25%から大きく伸びたと説明した。

Wi-Fi認定製品の増加グラフ
Wi-Fi認定製品の増加グラフ。この1年で3倍以上に伸びている
WECA加盟企業の所在地別グラフ
WECA加盟企業の所在地別グラフ
アジア地域の国別WECA加盟企業グラフ
アジア地域の国別WECA加盟企業グラフ。台湾が31社と最も多い

アジア企業の増加に伴って、Wi-Fi認証のテストラボを7月3日付けで東京とシンガポールに開設し、業務を開始したことを明らかにした。これによって、Wi-Fi認証のためのラボは米国(カリフォルニア州サンノゼ)、2001年に開設した英国(ロンドン)と合わせて4ヵ所となった。東京のテストラボはアジレント・テクノロジー(株)の高井戸オフィス内に設置されている。また、ソニー(株)が新たにWECAのボードメンバー(役員会会員企業)に加盟(※1)したことも明らかにした。

※1 WECAのボードメンバーは、ソニーを加えて米アギア・システムズ社、米シスコシステムズ社、米デルコンピュータ社、米インテル社、米Intermec Technologies社、米インターシル社、米マイクロソフト社、フィンランドのノキア社、オランダのロイヤル・フィリップス・エレクトロニクス社、ソニー、米シンボル・テクノロジーズ社の11社となった。なお、WECAの総加盟企業は154社(2002年6月)。

新しいFi-FiロゴとIEEE 802.11aへの取り組み

イートン氏はWi-Fi認定製品に付ける新しいロゴを示すとともに、5GHz帯域を使用するIEEE 802.11a製品にも同じ製品ロゴを使用すると説明した。新しいWi-Fiロゴは、これまでの“Wi-Fi”ロゴの下に“CERTIFIED”の文字が加わったものになっている。IEEE 802.11aとIEEE 802.11bのどちらに対応した製品であるかは、ロゴと併用する“性能ラベル”に明記するとしている。

“Wi-Fi CERTIFIED”ロゴ
“Wi-Fi CERTIFIED”ロゴ。製品本体およびパッケージに付けられる
Wi-Fiロゴと併用される予定の性能ラベル
Wi-Fiロゴと併用される予定の性能ラベル(最終案ではない)。認証された技術のチェックボックスにチェックが入るという

IEEE 802.11a製品の認定作業については、第3四半期にテストを開始しし、第3〜4四半期には最初の認定製品を発表できる見込みという。なお、WECAは2001年11月にIEEE 802.11aの認定製品向けに“Wi-Fi5”という名称を発表していたが、“Wi-Fi CERTIFIED 802.11a”という名称に変更となっている。IEEE 802.11aの無線LAN製品はすでに市場に出回っているが、WECAとしての認証作業がこれから開始されるというのは遅いようにも思える。これに関してイートン氏は「現在出回っている製品はすべて同じ会社(米Atheros Communications社)のチップを搭載しているためだ。“相互接続性の検証”のためには、少なくとも、2社による無線LANチップ、およびそのチップを使用した4社以上の無線LAN製品が必要と考えている」と説明している。テストを開始したIEEE 802.11a製品は4製品で、搭載しているチップは3種類あるという。

また、IEEE 802.11aおよびIEEE 802.11bの両方に対応した“デュアルバンド製品”もまもなく市場に登場するが、そうした製品についての認証作業も行なう予定としている。さらに、IEEEで検討され今後の登場が予想される、マルチメディアサポートの規格、欧州対応のIEEE 802.11a(802.11h)(※2)、TKIPによるセキュリティー強化規格(※3)、AESによるセキュリティー強化規格(※4)、通信速度54MbpsのIEEE 802.11b(802.11g)(※5)など、IEEE 802.11技術のすべてについて認定作業を行なっていくという。

※2 欧州は国によって利用できる5GHz帯域に大きな差があるため。

※3 TKIP(Temporary Key Integrity Protocol)は、現在のWEPによるセキュリティーを強化する規格。WEPはある程度の知識とプログラムがあれば、パソコンレベルでも破ることが可能であると指摘されている。

※4 AES(Advanced Encryption Standard)。米国国務省がDES(Data Encryption Standard)に替わる新しいコンピューター通信向け暗号の標準として採用した規格。DESと比較して遥かに高い強度を持つと言われている。なお従来のWEPでは“RC4”暗号を利用している。

※5 通信速度最大54MbpsはIEEE 802.11aと同等であるが、IEEE 802.11bとの互換性確保のためのオーバーヘッドなどにより、実効データ通信速度は10数Mbpsにとどまる見込みという。なお、IEEE 802.11aの実効通信速度は約20Mbps。

イートン氏が示した、今後登場する規格とWECAによる認定開始予定
イートン氏が示した、今後登場する規格とWECAによる認定開始予定

このほかイートン氏は、無線LANアクセスが利用できる場所“ホットスポット”についても言及し、「ホットスポットは今後順調に増加し、2005年には世界中のホテルやカフェなどを中心に1万2000ヵ所を超えるだろう」と予想した。現在のホットスポット数は約3000ヵ所で、特にアジア・太平洋地域で大きく増加すると予想している。

ホットスポットの地域別増加予想グラフ
ホットスポットの地域別増加予想グラフ。アジア太平洋地域が最も急速に増加すると予想している
2005年におけるホットスポットの予想設置場所別グラフ
2005年におけるホットスポットの予想設置場所別グラフ

(編集部 佐々木千之)


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