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【caworld 2001レポート】(その3) 基調講演
2001年7月11日
caworld 2001初日の9日夜には、基調講演が行なわれた。まず、米Computer Associates Internationalの創立者であり、同社会長であるCharles B. Wang氏が挨拶を行ない(Wang氏の談話は別途掲載する)、続いて昨年同氏からCEOの座を引き渡されたSanjay Kumar氏が登場した。
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創立者で会長のCharles B. Wang氏。 |
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社長兼CEOのSanjay Kumar氏。昨年Wang氏からCEOを引き継いだばかりだ。 |
Kumar氏は、「今後企業はeBusinessを取り入れないと生き残ることができない」と語り、同社のビジネスの特徴としてオープンである点や、品質の高さについて語った(ここで、eBusinessというのは.COMではないとわざわざ注釈している)。次に、昨年10月に導入した同社の新しいビジネスモデルに話題は移った。“新しいビジネスモデル”とは、金額と使用期間を固定し、その中で顧客の要望に見合ったさまざまなソフトウェアやサービスを提供するというもの。従来のライセンスは、ある特定のソフトウェアやサービスに対して対価を支払う方式であったが、この新しいビジネスモデルでは、ソリューションそのものに対して対価を支払う方式であるといえよう。期間は1カ月でもいいし、6カ月でもかまわない。これによりソリューションの柔軟性が確保されるとともに、リスク管理にも一役買っているという。この新しいビジネスモデルは、パイロットを行なった企業によってすでに成功が立証されているという。
次に話題は同社の製品群に移った。同社製品の特徴として、まず“オープン”である点が紹介された。マルチプラットフォームとして、UNIXからAS400、Windows、.NET、J2EEなど、同社はすべてのプラットフォームをサポートする。また製品の品質については、ISO9002証明を受けたことを例に出し、「これに誇りを持っている」と語った。
そしてさらに同社のテクノロジー/製品戦略が紹介された。同社では新しい戦略として、“3つの戦略的なカテゴリと6つのフォーカス”を軸とする。
- 3つの戦略的なカテゴリ
- eBusiness Process Management……企業内外をまたがるビジネスプロセスの管理
- eBusiness Information Management……ビジネスに必要な情報を集中管理し、ビジネスチャンスに活用
- eBusiness Infrastructure Management……eBusinessのためのインフラを管理
- 6つのフォーカス
- エンタープライズマネージメント
- セキュリティ
- ストレージ
- eBusinessの変換と統合
- ポータルとナレッジマネジメント
- 予測分析とビジュアライゼーション
こうした戦略を元に、800以上存在する同社の製品を4つのブランドに統合すると発表した。その4つとは、本レポートでもすでにお伝えした 、企業内ポータルである『Jasmin』をはじめ、ネットワーク上のリソースを統合管理する『Unicenter』、セキュリティ製品の『eTrust』、ストレージマネジメント関連の『Brightstor』がそれである。
この4つのブランドは、caworld 2001にて順次プレス向けのカンファレンスが行なわれ、会場の各所にもブランド名を記した垂れ幕やポップが配置されるなど、今回のcaworld 2001の主役となっている。
この4つ以外で語れたのが、同社の100%子会社 米iCan SPが提供するxSPのマネジメントツール『iCanSP』である。iCanSPは、ASPやISP、企業内でサービス提供を行なうIT部門(ICSP=Internal Corporate Service Provider)、NSP(Network Service Provider)、SSP(Storage Service Provider)、MSP(Management Service Provider)など、サービスを提供する業者向けのマネジメントソフトウェアだ。こうしたxSPが提供するサービスの測定や管理、サービスのカタログ提供、支払い業務支援、新規登録ユーザーのための環境準備などを行なう。このiCanSPも、今後のCAにとって戦略的な位置づけになると思われる。
同社では広範囲にわたる資産を持っており、この6つのフォーカスと4つのブランドを、「CAの革新性と組み合わせて提供しようと思う」とKumar氏は語った。また、「我々の革新の秘密兵器は人材」といい、それが今までの、これからの、そして現在の成功につながっているという。こうした人材に対し同社では、個人を大事にする。たとえば社員に対して朝食の提供や、託児所の設置(6歳までの子供を預かってくれる。caworld 2001にも、380人の社員の子弟が訪問しているそうだ)、ヘルスクラブの設置などを行ない、10年間勤務した人間には、高級時計が送られるそうだ。「私はCAの中のごく一部の成功例に過ぎない」とKumar氏は言う。そして、こうした人材により、“革新”を職場の中で進めていくという。
また、Kumar氏は“コミュニティ”へのコミットについても言及した。同社にとって大事なコミュニティは顧客であり、彼らに商品ではなく“解決策(Solution)”を、パートナーを通じて提供するとした。
コミュニティへのコミットという面では次に、同社がボランティアにも力を入れている点が紹介された。まず同社の社員が重要と思われるボランティアに寄付を行なった場合、社員の1ドルに対し、同社は2ドルの寄付を行なうという。現在3500以上の慈善団体への寄付を行なっているそうだ。同社が関わる代表的なボランティアとして、口蓋裂で生まれた子供への支援ボランティアである“The Smile Train”、行方不明や虐待児童を救う“Missing Children”、恵まれない子供たちに対してコンピュータを使えるようにする“Digital School House”などが紹介された。
そして、この基調講演に参加したメンバーがこうしたボランティアに寄付するのならば、1ドルにつき同社は2ドルの寄付を行なうことを約束した(この約束をKumar氏が口にしたとき、会場からは拍手が沸き起こった)。ちなみに、The Smile Trainだが、小一時間と250ドル程度のお金で手術が終わるのだそうだ。またMissing Childrenに関しては、いなくなった子供を捜すために、Webページ上のスペースの提供を呼びかけていた。さまざまなWebサイトにMissing Childrenへのリンクを張ることで、行方不明の子供の掲載ページに人々を誘導しようというわけだ。
米国的といえばそれまでかもしれないが、基調講演という限られた時間の中で、製品や次世代テクノロジーの紹介以外に話題を振るというのは印象的だ。
Computer Associates Internationalは今年で創立25年。この25年、同社は絶えず革新し、学び続けてきたという。Kumar氏は最後に、同社はこれからも学び続け、変化し続けることを約束して壇を降りた。
(吉川大郎)
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