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NTT、“コンテンツID”を利用したサービスを開発――野球中継でホームランの瞬間を見のがさない


2001年4月14日

日本電信電話(株)は13日、同社のNTTサイバーコミュニケーション総合研究所が、著作権情報をコンテンツに埋め込む“コンテンツID” を利用して、そのコンテンツに関連した情報やサービスを提供できる技術を開発したと発表した。

コンテンツIDは、“IDセンタ管理番号”というコンテンツ固有の番号と、内容を表す“コンテンツ属性”や著作権情報を示す“権利属性”、電子透かし情報等の“システム管理情報”などで構成されるデータ。コンテンツIDの発行の流れは、

  1. 著作権者がコンテンツID管理センターに登録を依頼する
  2. 管理センターは著作権IDを発行し、IPR-DB(著作権管理データベース)に仮登録する
  3. 著作権者の許諾を得た著作権使用者が、管理センターにコンテンツIDの発行を依頼する
  4. 管理センターは発行ID、DCD(流通属性記述子)を作成し、IDセンタ管理番号を電子すかし技術を用いてコンテンツに埋め込む
  5. 管理センターはIPR-DBに残りの情報を登録する(この段階で、データベース内にコンテンツIDが形成される)
  6. 管理センターはID発行済みコンテンツとDCDを著作権使用者に送る
  7. 著作権使用者が利用者にID発行済みコンテンツとDCDを提供する

となっている。現在(※1)“cIDf”で標準化作業が進められており、10月に正式版コンテンツIDの発行を開始する予定。

※1 “CONTENT ID Forum”(コンテンツIDフォーラム)コンテンツIDの標準化、グローバルスタンダード化を行なっている団体

今回NTTサイバー総研は、MPEG・JPEG圧縮を行なっても消えにくい独自の電子透かし方式と、コンテンツID標準仕様に準拠したサービスゲートウェイを開発した。それらによって、利用者があるコンテンツについて問い合わせた場合、まずそのコンテンツのIDに対応するサービスゲートウェイに情報が届き、IPR-DBで著作権情報を確認する。次に、そのコンテンツに対してあらかじめ登録された、情報やほかのコンテンツ、さまざまなサービスが利用できるようになるという。

コンテンツをトリガーにしたサービスを

開発した具体的なサービスは、“コンテンツ・コンシュアージュ”と“ビジョンマーク”の2種類。

“コンテンツ・コンシュアージュ”は、利用者が画像や映像などのコンテンツからコンテンツIDを呼び出して、サービスゲートウェイに問い合わせると、そのコンテンツに関する情報や関連するサービス情報などを提供する。

たとえば、あるウェブサイトの画像について、コンテンツIDを読み出して問い合わせると、その画像の作成者、著作権者、関連するほかのコンテンツなどが画面上に表示される。

画像を選択してコンテンツID情報を読み出す。これは読み出されたコンテンツID
画像を選択してコンテンツID情報を読み出す。これは読み出されたコンテンツID
コンテンツIDを基に、その画像に履歴情報が表示された。もともとは動画だったようだ
コンテンツIDを基に、その画像に履歴情報が表示された。もともとは動画だったようだ
履歴情報をクリックすると、もとの動画が再生された
履歴情報をクリックすると、もとの動画が再生された

“ビジョンマーク”は、利用者がテレビ番組などを視聴中に興味のある場面でボタンを押すと、コンテンツIDと放送時刻によって、あらかじめ登録したそのシーンに関連するサービスを提供する。また、先に特定の条件をを指定しておくと、その場面になったときに告知サインが出て、その場面をリプレイできるという。

コマーシャルを見て、商品や登場している俳優など、気になる情報を獲得したり、野球中継でホームランのシーンや特定の選手の登場するシーンだけリアルタイムで、あるいは後ほど見ることができる

ホームランのシーンを設定しておけば、ほかの番組を見ている最中でも“HOMERUN”と告知される
ホームランのシーンを設定しておけば、ほかの番組を見ている最中でも“HOMERUN”と告知される
そのシーンを繰り返し再生
そのシーンを繰り返し再生

両サービスとも、具体的な提供時期や価格などは未定。NTTサイバーソリューション研究所インテリジェントメディアプロジェクト プロジェクトリーダーの外村佳伸氏は「これまではサービスからコンテンツを利用するという形だったが、これからはコンテンツからサービスを利用できるようになる。ブロードバンド時代は、このような技術をもとに活性化していきたい」と、コンテンツからサービスを利用するという新しい形への期待を語った。

NTTサイバーソリューション研究所インテリジェントメディアプロジェクト プロジェクトリーダー外村佳伸氏
NTTサイバーソリューション研究所インテリジェントメディアプロジェクト プロジェクトリーダー外村佳伸氏

MPEG-2エンコーダー内蔵ハイビジョンカメラも

同日行なわれたレクチャーで、NTTはNTTサイバー総研の開発した、MPEG-2エンコーダーを内蔵したハイビジョンビデオカメラも発表した。

MPEG-2エンコーダー内蔵ハイビジョンカメラ
MPEG-2エンコーダー内蔵ハイビジョンカメラ レンズおよび前半部分(CCDなどを内蔵)は従来のものと同じ。後半のMPEG-2エンコーダーと無線部分が今回新しく開発された
これが今回開発されたMPEG-2エンコーダー
これが今回開発されたMPEG-2エンコーダー
後部に装着されているのが映像と音声を伝送する無線部分
後部に装着されているのが、映像と音声を伝送する無線部分。現在は巨大な箱だが、小型化、軽量化はそれほど難しくはないという

これまでMPEG-2エンコーダーは、カメラとは別にラックが必要だった。NTTサイバー総研では、エンコーダーを内蔵することで、機動性と高品質な画像を両立させることに成功したとしている。また、後部に装着されている、映像と音声を伝送する無線はまだ開発段階だが、いずれもっと小型化、軽量化することが可能。無線部分は無指向性で、100m程度なら、自由に動くことができるという。バッテリーは2本搭載でき、約40分間の撮影が可能

コンテンツID関連サービスとMPEG-2エンコーダー内蔵ハイビジョンカメラは、23日よりラスベガスで開催される“NAB2001(全米放送事業者協会大会)”で、デモンストレーションを行なう。富士山麓―ラスベガス間の、ハイビジョンによる双方向生中継の実験も行なうとしている。

(編集部 中西祥智)





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